南京町の香りの中で 〜探偵が見た“人の動き”〜

神戸の街は、どこかおしゃれで落ち着いた雰囲気があります。海と山に囲まれ、坂道が多く、風が気持ちいい。そして何よりも、どこを歩いても“物語”を感じさせてくれる街です。そんな神戸の中でも、私がよく訪れる場所のひとつが「南京町」。中華街として知られるこのエリアは、昼も夜も人でにぎわい、食べ歩きをする人たちの笑顔があふれています。でも、そんな華やかな通りの片隅で、私たち探偵は静かに“誰か”を見守っていることがあります。

南京町の雑踏と探偵の静けさ

南京町に足を踏み入れると、まず漂ってくるのが香ばしい匂い。焼き小籠包、豚まん、ゴマ団子…。通りを歩くだけでお腹が空いてきます。観光客の笑い声、スマホで写真を撮る人の姿。その賑やかさの中で、私たちは人混みに溶け込むように立っています。

探偵の仕事は「目立たないこと」。南京町のような人通りの多い場所では、派手な行動を取らずに、ただ“自然にそこにいる”ことが求められます。たとえば、食べ歩きをしている人のふりをしながら、対象者の動きを目で追うこともあります。ただ観光客がかなり多いので見失わないように注意が必要です。

 神戸という街の独特の空気

神戸は、どこか“異国の香り”がする街です。南京町の赤い提灯を抜けると、すぐ近くには元町通の洋館、そして少し歩けば海辺のモザイクやハーバーランドが見えてきます。

和と洋が自然に混ざり合っている風景は、まるで時間がゆっくり流れているような心地よさを感じさせます。その中で対象者を見失わないように目を凝らしながらも、「なんだかいい街だな」と思わず感じてしまう。探偵であっても、やっぱり人間ですからね。

 見守る仕事ということ探偵の仕事というのは、“誰かを追う”というよりも、“誰かの行動を静かに見守る”仕事だと感じることがあります。

たとえば、依頼者さんが心配されているのは、夫や妻、恋人、家族といった身近な人。「最近帰りが遅い」「行動が変わった」そんな不安な気持ちを少しでも解消するために、私たちはその人の“今”を丁寧に見つめます。

 まとめ 〜南京町で感じる“人の温かさ”〜

神戸の中華街・南京町は、探偵にとっては少し難しい場所でもあります。人が多く、視界も狭く、動きづらい。けれどそのぶん、人の温かさや街の活気を強く感じられる場所です。